手放して忘れる事

片付けマインド

こんにちは、ここみです。
ここに来てくださり、ありがとうございます。

今日は「手放して忘れる事」について取り上げたいと思います。

人が物を捨てられない理由は
「過去への執着」と「未来への不安」と言われています。

 
70代の母から

「捨ててしまうと、忘れてしまいそうで怖い。」

という言葉がよく聞かれます。
 
 
母のような年代になると記憶力の低下による、未来への不安が大きいのかもしれません。
  
手放す事で忘れる、という不安は思い出品の片づけでも
誰もが向き合う事なので、ちょっと書いてみたいと思います。

手放す事で記憶が抜ける?

「ものが片づけられない人」には「記憶力に自信がない」という特徴があったりします。

これは「片づけてしまったら記憶が抜け落ちてしまう」と思ってしまうことから

「ものが片づけられない」となっているのですが、本人にはその自覚があまりありません。

引用:「片づけられない自分がいますぐ変わる本」 著者:大嶋信頼

本を読んでいて、母がまさにこれだね、と頷きました。
 
 
「片づけない」のは「記憶を失わないため」という役割をしている事があるそうです。

母は片づけない、の前に記憶力に自信がないから、と何でもとっておきたがる。
捨てるかどうかの判断にも自信がないそうです。
 
 
これはどうして残すの?
「忘れないため」
 
 
どうして忘れちゃいけないの?
「覚えていたい。忘れたくない。」
 
 
忘れたくない理由が覚えていたい。
 
 
この時こんな事があって、すごく感動した、大切な思い出だから持っていたい。

そんな理由ならわかるのですが、
なんでもかんでも忘れないように持っていたい、というような所があります。

  
とにかく「忘れてはいけない。」と忘れる事への恐れが強いんですよね。
 
 
「忘れてはいけない」という思いは、 
亡くなった方の遺品を残すかどうかの判断の時にも、出てくる事だと思います。

 
でも、「忘れてはいけない」事なんてあるのでしょうか。
 
 
それは自分で勝手に自らに課して、自分を苦しめているだけじゃないでしょうか。
 
 
そもそも忘れるということは色が褪せていくのと同じように起こり、
むしろ覚えている事の方が特別だそうです。
 
  
記憶は、感情が混じっている時に海馬が大切だと判断し、長期記憶として残ります。
 
感情が混じっていない、さほど重要じゃない事は忘れるのが当たり前。
 
 
物があれば思い出すきっかけになるけれど、

そもそも忘れた事をわざわざ思い出す必要があるのか、
記憶の重要度についても考えた方がいいかもしれません。

忘れるのは悪い事?

実は「忘れる」という事は「記憶する」という事にとっても、とても大切な機能。
 
 
脳には全ての経験を記憶しておくほどのスペースがないため、
一番重要なものや将来必要になるものだけを保存しておこうとするそうです。
 
 
海馬で情報の整理をする時、不必要と判断すると忘れます。
 
 
記憶が整理されることで、必要な記憶がより効率的に引き出せるようになります。
 
 
 
これ、まさに物の片づけと一緒ですよね。
 
部屋が散らかっていると必要な物をすぐに見つけられないけど、
片づいていると、場所がわかるからすぐ取り出せる。
 
 
移り変わっていく日々の中で過去がどんどん変わるので、
記憶が変わっていく事も、忘れる事も自然な事。
 
それを責める必要も、覚えていなければ、と自分を戒める必要もないと思います。
 
むしろ、忘れるのは覚えるためですから。

ものは必要なのか?

物には記憶がくっついていますが、物そのものをとっておく必要があるのか、考える必要があります。

思い出はものの中にあるのではなく、

あなたの心の中にある。

ものはただ、思い出す手助けになるというだけだ。

引用:「より少ない生き方」 著者:ジョシュア・ベッカー

そう、心の中にある。

とっておきたいのは、物そのものや、景色の記憶じゃなくて
その時の感情ですよね。

物があろうがなかろうが、
忘れたくても忘れられない事もある。

反対に、
すっかり忘れていた事でもふとしたきっかけで、
一気にその時にタイムスリップするような、
その時の空気感、香り、感情なんかを思い出す事もありますよね。
  
  
物に記憶がくっついている事で、
物が沢山あると過去に引き戻される体験を沢山する、と本で読みました。
 
物がなくなる事で、過去に引き戻されなくなり、目の前の事に集中できる、と。
 
 
 
確かに、記憶の劣化を防ぐには、その記憶を後から使ったり、思い出す必要があるそうです。

 
物がきっかけで劣化を防ぐ事はできるけれど、それが本当に必要な記憶なのか?
  
過去に引き戻されてもいいような、
自分にとって一番意味があるものだけを残す事が大事になります。
 
 
そして、大事だと判断して残した物は、
しまっておくのではなく、見える場所におく事で
普段から大切な思い出に触れる事ができる、とお勧めされていました。

手放して循環する

色々な片づけ本を読んでいて、共通しているのが、
片づけて不要なものを手放す事で本当に必要なものが入っている、という事。
 
 
便秘の例えで表現されていた本がわかりやすいと思ったのですが、
 
食べて食べて、出さないと体に不具合が生じる。

物も一緒で、入れたら出す事で循環が生まれる、と。
 
脳も忘れる事がなければ、記憶のシステムが詰まってしまう。
忘れる事で新しい事を覚える事ができる。
 
  
 
手放す事で入ってくる、というのは何か大きな法則のようです。
 
  
誰かを失う事で新しい出会いがあったり、

何かを手放す事で別な経験ができたり。
 
 
たぶん、手放さなければ手に入らない。
 
反対に、手放したら手に入る。
 
 
どっちを選択するか、だけなのかな、と思います。
 
 
選ぶのは自分。
 
 
これ以上何も望まないのであれば手放さない選択もアリかもしれません。
 
何かを変えたければこの「手放すと新しく入ってくる」という法則を信じて行動してみて欲しいです。

忘れるのは自分のため、未来のため


私自身はそもそも記憶力が良くないのですが、

離婚前、適応障害になった頃の記憶が欠けていました。

どうやって毎日やり過ごしていたのか、息子たちの明日の準備をどうしていたのか、
いつ別居したのか、あの時子供たちが何歳だったのか・・・

後から母から聞いて記憶を上書きしています。
 
 
子供たち(長男・次男)の事でさえ、忘れてしまっている。
子供たちの思い出品も、何も持っていないからかもしれません。
 
 
でも、これは自分が自分を守るためのギフトだと思っていて。
 
 
常に思い出せる状態にあったら苦しいから、今はモヤをかけてくれている。
 
 
忘れるのは、
 
あまり重要じゃない事、
 
辛い経験、
 
思い出したく無い事・・・
 
いろんな種類があると思います。
 
 
いずれにしても忘れる事は
 
  
今自分が苦しい思いをしないため、未来のためだと思います。
  
とりあえず、今に集中して生きるため。
 
 
脳の力は計り知れないから、いつか必要な時にふと、思い出せるんじゃないでしょうか。

  
忘れてしまった自分を責めてもどうにもならないし、
忘れている事の理由、意味が、何かしらあるんじゃないかと思っています。

おわりに

この頃、記憶力の低下が気になる母。

私が仕事柄、認知症の方と多く関わり評価もしている立場なので、
まだまだ早期ですが低下が気になり、片づけを一緒に始めている所でした。

これまでの人生を振り返る時間って、記憶の整理にもなるし有益だと思います。

今回記事を作りながら、
母はもともと記憶力が良い方なので、あれこれ詰め込みすぎて詰まっている状態かも、と思いました。

片づける事で脳がクリアになる事を期待したい!!
 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

参考書籍

○大嶋信頼:「片づけられない自分がいますぐ変わる本」 
○ジョシュア・ベッカー:「より少ない生き方」

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