終の住処

リハ職での学び

自分が最後に過ごす部屋を、ときめき空間にしている、

素敵なおばあちゃんがいます。

90歳、ひとり暮らしのAさん。

末期の癌がある他に、いくつもの病気を抱えています。

美人の面影が残る、おばあちゃんとは言えない、スタイルが良い方。

いつも身なりもきちんとしていらっしゃいます。

癒しの空間づくり

Aさんの寝室には小ぶりな食器棚があり、

素敵なティーカップや食器が並んでいます。

病気になってから、ここが終の住処になる、と思い

自分が好きな食器を買い揃えたそう。

出歩けなくなった時に、部屋で見て楽しもうと思って、と。

娘の家に行った帰りに見つけた、少し変わった、頭が大きいお団子頭のコケシ。

その年代の方はあまり身に付けない、指輪やネックレス。

生菓子でも入っていそうな、素敵な塗り物の小箱。

素敵な物がたくさんあって、訪問するたびに、

飾る物、小物の配置が変わっている。

自分が好きなもの、癒される物を、

「今日はこれを飾ってみようかな〜」

と並び変えているそうです。

苦しい時間の乗り越え方

Aさんは、夜に低血糖症状が出て、具合が悪くなる方。

1人暮らしだから、不安な夜を過ごすそうです。

そんな時に、癒される物を眺めたり、配置換えをして

気を紛らわしているそうです。

物そのものへのときめき、買った時のときめきを思い出して、

癒しの時間を作っている。

それぞれの物の出番を作って大切にできるなら、

沢山持っていてもいいのかも、と思える方でした。

食へのこだわり

胃の切除をした事があるAさん。

胃が回復するまで食べられない期間があったからこそ、

食べる事に感謝して、食事を大切にしているそうです。

買い物に出歩けない方なので、スーパーの訪問販売を利用しています。

季節の果物を毎日食べて、

週1回は刺身を食べたり、焼きウニを食べたりするそう。

月に1回はホテルのお弁当を配達してもらう。

残りの時間が限られているから、

沢山は食べられないけれど、

何を食べると調子が良いか、

自分が満たされるかを考えて丁寧に生きていらっしゃる。

Aさんの素敵な所は、自分自身の体(病気)に文句を言わない所。

自分自身を受け入れて、丁寧に扱っている。

日々の暮らしにときめきをプラスできていて、素敵!!

と、いつも尊敬しながらリハビリしています。

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