私はもともと負けず嫌いで気が強く、メンタルは強い方でした。
緊張や不安でお腹が痛くなる、という人の気持ちが
わからない人間でした。
それが、自分が適応障害になり、
心が体に与える影響はとても大きい事、
心と体は繋がっている、という事を体感しました。
心が病んで、見える景色が変わりました。
元気になった今、自分の心を守るために必要なのは
いろいろな情報・思考の整理、
自分自身を知る事だと思っています。
今になって思う、心を守るためにできる事を書きたいと思います。
出す情報を最小限にする
私は子供を2人授かりましたが、
家事や育児のストレスが強く、
元夫に親権をお願いして離婚しました。
どうして子供を連れていけないの?
もっと頑張れないの?
子供がかわいそうでしょ?
職場の人、友人、色々な人に同じ事を言われました。
ママが子供をみるべきだ、という偏見。
実際、自分が逆の立場だったら、同じ事を言ったと思います。
始めは、自分を理解して欲しくて
一生懸命話していました。
でも途中で気づいた事は、
他人の苦しみを理解するのは難しい、という事。
同じ人生を生きていないので、
これまでの経験や思考の積み重ね、感じ方も違う。
どれだけ丁寧に説明したとしても
弱った自分にとって辛い返答をされるだけ。
私は嘘をつく事やごまかしができず、
ちゃんと説明しないといけない、と思っていました。
でもメンタルクリニックの先生に
「別に自分の情報を全て出す必要は無いですよ。
話さないだけ。話さない事は、嘘をつく事じゃない。
自分の情報を出さなくても離れていかない人、
信頼できる人だとわかった人に話せば良い事ですよ。」
と言われました。
出す情報を自分でコントロールすればいいんだ、
と気づいてからは
自分の事を話さずに人と会話する方法を
考えるようになりました。
私はリハビリの仕事をしているので、
患者様たちとマンツーで話す時間があり
どうしても個人情報を聞かれます。
自分の話は最小限にして、
相手が主に話すように話題を振れるようになりました。
高齢者は自分の話を聞いてほしい方が多いので
相手は自分の話を沢山して満足、
こちらも自分の話をせずに済むし、ウィンウィンの関係。
反対に、私のように話したくない人がいる事にも気づき
配慮できるようになりました。
前よりコミュニケーション能力が上がったような気がしています。
入る情報を最小限にする
世の中には「幸せの形」が提示されていて、
結婚をして子供がいる家庭が
当たり前に描かれています。
テレビCMのあったかい家の象徴、
絵本の中に登場する両親そろった家族。
「普通の幸せ」からはみ出てしまうと
はみ出た人を苦しめる情報で
溢れている事に気が付きました。
自分が普通の幸せを得ていた時には気づかなかった事。
心が弱っている時、
他人の幸せに敏感になる事にも
初めて気がつきました。
Facebookで子供の事を話題に出している人、
夫婦仲良く過ごす日常を書いている人、
LINEのプロフィール画像が子供の写真の人・・・
幸せそうな人達が羨ましくて、
人の情報を見てはいちいち暗い気持ちになっていました。
情報を出している人が悪いわけではなくて
自分の心の問題。
元気な時の延長で、特に何も考えずに人の情報を見続けていました。
なんとなく「いいね」を押さなければいけないような気がしていました。
でも自分が傷つかないためには、
入れる情報を制限すれば良い事に気がつきました。
Facebookのアプリを削除して、
テレビを見る事もやめました。
受動的な情報を無くして
自分で知りたい情報を探すだけにすると
心は平和でいられました。
頭と心の整理
心が弱った時、
どのタイミングでメンタルクリニックに行くのか
迷うところです。
「まだなんとかなる。」
「もう少し自分で頑張ってみよう。」
と、先延ばしにしてしまいます。
私もそうでした。
体に症状が出て、どうにもならなくなってから受診しました。
メンタルクリニックを受診して、
もっともっと早く、
友人に話すように気軽に相談に行けば良かった、
と後悔しました。
身体も心も、早めの対処が大切。
メンタルクリニックの先生がしてくれたのは
思考の分析、心の整理でした。
先生に新しく答えをもらった、というよりは
自分の頭の中のごちゃごちゃを
整理してもらってスッキリした、という感覚でした。
例えば、長男にイライラしてしまう事について相談すると、
「夫とうまくいかなくなり、夫に怒りを抱いている。
夫と特徴が似ている長男に対して怒りの矛先を
むけてしまっているのではないですか?
だから一緒にいられない、育てられない、と思っているのではないですか?」
という具合でした。
長男にイライラしているのではなくて、夫に対してだったんだ、と気づくと
長男に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
自分で自分の怒りが何に対してかも、わかっていませんでした。
少し元気になってからは
大石洋子さんという方が教えている「思考の学校」を
学んだ方の基礎講座を受けて、
自分の思考を書き出してみたりしました。
思考をガーッ!!と書き出していく中で、
「あ!これだ!」
というヒットする言葉が出ると、
それまでの感情が雲が散るようにスーーっと
溶けて消えていく感じに驚きました。
書きだしていくと、心の奥底にある感情が出て来て、
感じていないのではなくて、自分で見ていない感情が沢山ある事に
気がつきました。
メンタルクリニックも思考の学校も、思考と心の整理。
実は、これって物の片づけをする時にも
同時に頭の中で行っています。
書き出す程深くはなりませんが、
物をひとつひとつ判断していく事で考える練習になり
物にくっついている感情も整理されていきます。
片づけで人生まで変わる、というのは
思考の見直し、自分自身の見直しになる事を
片づけ終わった人は知っているからだと思います。
元気回復行動プラン(WRAP)
職場の研修で知った元気回復行動プラン(WRAP)。
別名、自分のトリセツ。
精神的な困難を抱えた人たちのリカバリー(元気回復)に役立つツールだそうです。
でも、これって誰にでも役立つ!!
もっと早く知りたかったと思いました。
WRAPはアメリカで精神障害がある人たちによって作られました。
ネットで記入シートも拾えるので、興味がある方はぜひ見て頂きたいです。
R:Recovery 回復
A:Action 行動
P:Plan プラン(計画)
心が健康な時に自分が危機に陥った時の対策を考えておく、というもの。
元気な時、心が弱ってきている時、心がピンチに陥ってしまった時。
それは何がきっかけで起きるのか?
それに対してどうしたら危機を脱する事ができるか?
ピンチの時は誰に助けを求めるのか?を考えます。
片づけと共通するところが、
1日の流れを見直して
自分にとっての快適・不快を知る事で心を整理していく事。
WRAPの素敵なところは、自分の中に答えがあるよ、という考え方。
自分で「元気に役立つ道具箱」と言われる対処法を作ります。
自分の癒し、助けになる事は何か、
一度じっくり考えておく事が自分を守る事に繋がります。
私は片づけをするまで、
自分が何にストレスを感じて、どんな事で癒されるのか
深く考えずに暮らしていました。
育児のストレスが溜まった時に、
カラオケに行く、一人で出かける、美味しい物を食べる・・・
癒されると思っていた事では癒されず、心を守れませんでした。
どうしてこんなにイライラしているのか?
きっかけも、限界に陥った時の対処法もわかりませんでした。
後になってから、私の場合はどこかに出かける事ではなくて、
散らかった家を片づける事が一番のストレス解消だった事に気がつきました。
ストレスのきっかけも、対処法も、人それぞれです。
まずは自分自身を知る事が大事だと学びました。
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